ハンガリー的同姓同名の識別法

くさり橋

すみません。
またハンガリー人の名前の話題、続きます。
(過去記事123もヨロシク)

さて、ハンガリー人女性の 結婚後は「夫の姓名のあとに『ネー(né)』をくっつけただけの名前を正式名とし、元々の自分の名前は消え失せる」…という、なんともビックリ仰天な風習。(過去記事1はコチラ)

加えて、ハンガリーでは子供の名づけに、「長男には父親の姓名を『そのまんま』受け継がせる」という、父子同姓同名の風習。(過去記事3はコチラ)

そうすると、三世代同居のお宅などでは
祖父・父・息子の3人が『ナジ・ペーテル(Nagy Péter)』と同姓同名。
祖母・母の2人が『ナジ・ペーテルネー(Nagy Péterné)』と同姓同名。
「一家5人がほぼ同姓同名」
…ということも想像できちゃうわけで。

m( ゚Д゚)m

ヤヤコシイけど、それが公の公式文書にある正式名なんですもんね。
そういうヤヤコシイ一家を、どうやって個人識別するのか!?

まず、親子孫の生年月日が同じってことはナイので、生年月日で一応の区別はつきます。

あと、ハンガリーのお役所に提出する公式な文書には、「自分の生まれた時の名前(旧姓だけでなく、旧姓名ね)」と、「自分の母親の旧姓名(コレも旧姓だけでなく、旧フルネームです)」を書く欄があるんです。

だから、上記の「(三世代同居)一家5人がほぼ同姓同名」のナジさんご一家の場合。

お祖母ちゃんの旧姓名を 仮に「キシュ・マルギット(Kiss Margit)」お母さんの旧姓名を「コヴァーチ・アンナ (Kovács Anna)」とすると、

お父さんは、「ナジ・ペーテル」、母親の旧姓名「キシュ・マルギット」
息子のほうは「ナジ・ペーテル」、母親の旧姓名「コヴァーチ・アンナ」
…だから、この二人は別人である…ということになるわけ。

一方、
お祖母ちゃん(姑)「ナジ・ペーテルネー」は生まれた時の名前が「キシュ・マルギット」
お母さん(嫁)「ナジ・ペーテルネー」は生まれた時の名前が「コヴァーチ・アンナ」
…なので区別はつく。

区別はつく…ったってねぇ(´;ω;`)…とは、昔のハンガリーでは考えなかったらしいと思われますな。

もし万が一、お祖母ちゃんとお母さんの旧姓名まで同姓同名だった…などという超・稀な場合でも、さらにその母親の旧姓名まで書かされたら、そこまで同姓同名などということは…、確率はほぼゼロに近いでしょ?

…と、このように区別をしていたわけなんですね~。
でもヤヤコシイね。(^ ^;;

ま、実際問題としては 結婚後に「夫の姓名+ネー」を名乗るという選択をする女性は今現在ではほとんど居ない!!…と言っても過言ではナイ(←過去記事2参照のこと)ので、実際にはこんなヤヤコシイ御一家なんて、今ではそうそう見つからないとは思いますケドね~。(^ ^;;

でも逆を言えば、昔のハンガリーでは こんな御一家がけっこうあったのではないかと思われます。
イヤですねぇ~~。( ;∀;)

 

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