スープは『食べる』なんだな~と、今なら分かるその理由。

グヤーシュ
(ハンガリー名物『グヤーシュ スープ』 ↑

調べてみると、日本語で「みそ汁を」…に続く動詞には
「飲む」「食べる」「吸う」「すする」などがあるようです。
地方によってとか、人によっては具があるかどうかなどによって
上記の動詞を使い分けたりしているみたい。
ワタシの場合は、
「ご飯を食べる」に対して、「みそ汁を飲む」というのが
子どもの頃から一番親しんできた言い方です。
ちなみに、スープの場合でも「飲む」で特に違和感は感じません。

でも、英語では”eat soup”、つまり「スープを食べる」ですよね。
英語で”drink soup”という表現は正しくない。
“soup(スープ)”は”eat(食べる)”物です。
ハンガリー語の場合も、英語と同様
『スープ(leves)』に対応する動詞は『食べる(eszik)』です。

実を言うと、この「スープを食べる」という表現には
個人的に違和感を感じていました。
「スープは汁物なんだから、
『食べる』じゃなくて『飲む』じゃない??」…ってね。
でも、ハンガリー暮らしを6年やっているうちに、
「スープを食べる」と言うわけが
何となく分かるようになってきました。

フルコースの洋食では、スープは前菜として
主食のメインディッシュの前にいただくものですが、
『前菜』と言いながらも 和食のみそ汁とは違って
結構しっかりどっしり…腹保ちするボリュームが
あることも少なくありません。

例えば、ハンガリーの名物料理『グヤーシュ スープ』
(上の写真参照↑)
コレもかなりのガッツリ系スープです。
スープが濃厚で少々脂っこくて、しっかりとお腹にたまる感じ。
グヤーシュは元は野外料理で、ボグラーチという大きなお鍋に
野外で火を焚いてグツグツ煮込んで作るものです。
そういう場合、グヤーシュはメインの前の前菜というよりも、
グヤーシュにパンを一緒に食べてお腹いっぱいにする…
グヤーシュがメインディッシュという感じになったりします。

また、『コンソメ スープ』に似たようなタイプの
わりとサラッとした感じのスープもあるんですが、
そういうスープにはパスタが入っていたりして
汁ものにしっかりボリュームをプラスさせていたりします。
こんな感じ↓
スープ
(『ツェルナ』という素麺みたいな細いパスタが入ったスープ ↑
給食にも良く出てくるけど、一般家庭でもよく使われるみたい。
コレをスプーンで食べるのは難しいのョ~!)

どうもワタシが観察したところ、
ハンガリーでスープとは、もちろん前菜であるわけですが、
その後のメインディッシュが無いような場合でも
スープだけである程度お腹がふくれるような
ボリューム感をも求められているモノみたい。
飲み物というよりも、食べ物なんですね。

だから
「スープを飲む」ではなく、「スープを食べる」という表現が
事実に合っているわけだなぁ…と思うようになったわけなのでした。

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