去る者、来る者、戻る者。(その3・戻る者)


フニャ高職員室

前回前々回の記事に続いて。

フニャ高(←ワタシの勤め先の高校の仮の校名)の先生たちの雇用契約期間は、最低1年(細かいことをいうと、丸々1年ではなく、夏休みの期間をのぞく約10ヶ月間)が基本。
それは、学校では新学年の開始時に時間表が組まれ、(前期・後期の境目に小さい変更があるものの)学年末までその時間表を元にすべてが回っていく仕組みだから。

たとえばワタシなどは 1年ごとに契約を更新しながらココまで来たので、毎年 新学年開始とともに新規雇用されてきたと言ってもイイ。 つまり実を言うとワタシ、毎年 夏休みの間は無職の身の上なの。  夏休みは日本に帰るので、何かと物入りだというのに収入なしだよ!! ワタシの人生は甘くないのョ~~(>_<)
でも、ワタシと同じように学年単位で採用された先生の中には、6月に学年終了した段階で
学年末までどうもお疲れさまでした。来学年度は別の職場を探してください。
…という事になる人もいるので、ワタシみたいなののクビが繋がっているだけでも奇蹟なんだ。感謝せぇよ!!…なんだけど(^^ゞ

でも、フニャ高の先生たち全員がワタシみたいに毎年毎年 契約更新の書類にサインしているわけじゃなくって。

フニャ高在籍年数の長い先生たちの多くは『契約期限なし』の契約を結んでいるらしいです。  つまり、何かとんでもない不始末をしでかしてクビにされるようなコトがなければ、自分の方から「今学年を限りに辞めさせてもらいます。」と言わない限り、自動的に契約が更新されるというもの。 具体的にどういう条件が満たされると『契約期限なし』のご身分になれるのか、よく分からないんだけど。

で、ハナシは元の今学年の初めに採用されて、いつの間にか辞めていたO先生の件に戻ります。

前々回の記事に書いたとおり、O先生がいつから来なくなったのかは分からないんだけど、ワタシが「O先生は辞めた」と人づてに聞いたのが冬休みの直前。 だから、冬休みの前にはO先生の後任の先生は まだ来ていませんでした。 そのまま冬休みに突入~。

そして、すべての職員がすっかり冬休みボケして職場復帰してきた冬休み明けの初日、もうしっかり後任の先生がちゃんといた☆

その新年明けに新しく来た先生(以下、K先生)、実は完全に新しく来た人ではありません。 以前フニャ高に勤めていた わりとベテランの先生なの。 ワタシがハンガリーへ来たばかりの1年目~2年目まで一緒だった人で、当時 K先生には けっこう世話にもなった。 フニャ高を辞めて数年は、旦那さんと一緒にルーマニアに行っていたけど、いつの間にかブダペストに戻ってきていたらしい。 だからK先生、分かりやすくいえば、『出戻り』かしら~??(^^ゞ

『契約期限なし』の先生の中には、どうやら「いつ戻るか分からないけど、また戻ってくる可能性あり(?)」な感じの含みをもたせた形をとって『辞める』人がいるみたい。 さすがに学年途中にそういう先生が戻りたいと言っても『空き』がなければ戻ってこられないんじゃないかと思うけれど、今回のように学年途中で突然『空き』が出来たり、学年の変わり目に「戻りたいです」と言えば戻って来られるようですね。

日本にも産休制度とかあるけど、K先生のケースのように 4年半後に復帰(O先生の件がなかったら、5年後になっていた可能性も)とかって、けっこう珍しいんじゃないかと思うんですが、どうですか???

 

久しぶりに会ったK先生には、
「あらぁ~、アナタ、まだ居たのねぇ?」って言われちゃった(^^ゞ
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そうなの、まだ居るのよ、K先生~~。
でも、昔と違ってワタシ、ハンガリー語 喋ってるでしょ?
<(`^´)>

 

 


去る者、来る者、戻る者。(その2・来る者)


国会議事堂

前回の記事に続いて。

昨年9月から新しく来て、いつの間にか辞めてしまっていたO先生。 O先生の辞め方は、異例中の異例といっても良いもので、O先生がフニャ高(←ワタシの勤め先の高校の仮の校名)に来なくなってから 次の先生が来るまでの間に ちょっと時間が空いてしまいました。

でも、そういうのは はっきり言って 学校としては望ましくない。

先生はそれぞれ担当する授業時間を持っているので、先生がいなくなっちゃったら すぐにその授業はどうするの?って話になってくる。 教室には勉強しなくちゃならない生徒が溢れているというのに…。
(先生が休んだりして授業がなくなると 生徒たちは素直に喜ぶけど、本当は授業を受ける機会が減ることで 勉強すべきことをしないままになる可能性もあるし、後で詰め込むことになるなど、自分自身にしわ寄せが来る…ということは、学生時代には なかなか分からないモノ(^^ゞ……)

O先生の場合は例外として、今までフニャ高で学年途中で先生が辞めていった時は 「今月末まで」とか、「2週間後の金曜日まで」というような感じだった。 そうすると、「翌月1日から」または「その週明けの月曜日から」新しい先生が来るわけ。 つまり授業時間にブランクはない。先生が変われば多少のゴタつきはあるだろうけど…。

そんなにすぐに新しい先生が見つかるものなのか?」…と思うんだケド、O先生みたいに いつ辞めたのか分からないような場合でなければ、ブランクを置くことなく 新しい先生がちゃんと来るの。
日本の公立学校みたいに、先生の採用は都道府県単位で 欠員がでたときには 上の方から代用教員がすぐに派遣される仕組み…というわけではないみたいなのョ。 だってフニャ高って 転勤がないじゃない? 教員の採用は各学校単位で行われているはず。 それでも辞めていった先生の『後がま』がすぐに見つかる

聞いたところによると、ハンガリーには職にあぶれた教員が大勢いるのだという。 だから学校側は買い手市場。 誰かが辞めても、すぐに後がまが見つかる…らしい。 教員の給料は とっても低いので、教員希望者が余るほど存在するなんて、個人的にはそのほうが不思議だと思うんだけど~(^^ゞ

 

2週間かそこらしか時間がない時でも
ちゃんと後がまがみつかるなんて、スゴイ早業じゃない~!?
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まるで ハンガリーじゃないみたいだ…な~んてっ(^^ゞ
教員人材バンクみたいなモノがあるのかしらね???

 

 


去る者、来る者、戻る者。(その1・去る者)


学校

フニャ高(←ワタシの勤め先の高校の仮の校名)はハンガリーの公立の高校です。

日本の公立高校の先生たちって転勤がありましたよね?
毎年4月には先生たちの移動があって、朝礼で新任の先生の紹介があったりした。

一方、フニャ高の先生には転勤がありません。(フニャ高の先生に転勤がないってことは、ハンガリーの公立学校はどこでも同様に転勤がないと考えて良いと思う。近年ハンガリーでは学校のシステムの大変革を断行しているので、この先どうなるかは分からないけど。) だから、フニャ高には『勤続20年以上!!』…みたいな先生が何人もいたりする。

フニャ高勤務10年以上の先生は かなり多いんじゃないかな? そういうワタシ自身が 何だかんだでいつの間にかフニャ高勤務6年を過ぎて、今が7年目だからね~(^^ゞ ワタシが来た時に 既にいた人は、少なくとも7年以上勤務している人たちなわけだ。

学校は9月から翌年6月までの1学年ごとのサイクルで動いているので、教員の勤務契約も1学年ごとが基本。 だから9月から新たに採用された先生は、翌年の6月の学年終了まではフニャ高に勤めることになる。 学年途中で先生が入れ替わるのは、何かと授業にも支障がありますもんね~。

でも実際には、学年の途中でフニャ高を去っていく先生が 毎年何人かは出てくるもんです。
今学年度になってからも、すでに一人の先生がフニャ高を去っていかれました。 9月にフニャ高へ来たばかりだった人。 仮の名を「O先生」としておきましょうか。

基本的に 先生が学年途中で辞めるのは異例のことなので、辞める事情はともあれ ちょっと遠くへ行くことになったので物理的にフニャ高に通うのは無理だから…ということが多い気がします。 辞めていくまでの期間が かなり急な場合もあるけれど、今までのケースではそれでも少なくとも『2週間後の金曜日まで』とか、そんな感じで、その先生が辞めるって事が 前もって周知のことになっていたわけ。

でも、O先生の場合は、いつの間にか居なくなっていた(・o・;;)…としか言いようがない。

冬休みが明けてからはもう O先生の代わりの先生が来ているので、今はモチロンO先生が辞めたことは周知の事実になっているけれど、O先生がいつ辞めたのかは、たぶん誰も知らないの(^^ゞ 冬休み前にはもう居なくなっていたけれど、いつから居なかったのかよく分からない。 ひょっとすると11月後半頃からすでに姿を見かけなくなっていたのかも???

O先生の席はワタシの席の右側 二人置いて三人目だったので、席は比較的 近かった。 でも、ワタシと違ってハンガリー語が不自由なわけでもないのに、O先生が誰かと雑談しているようなところを見た覚えがないのね~。 もちろん誰とも口をきかなかったわけはないだろうけど、O先生の向かい側の席の先生が「あの人、全然しゃべらないし…(-_-)」って言っていたのを聞いたので、ほとんど職場での会話がなかったんじゃないでしょうか?

そんな感じだったので、ハンガリー語力が不自由なワタシがO先生との会話がそれほどなかったのは当然といえば当然。 それでも、何回かは話したことがあって。

ある時、O先生に
「どうしてハンガリーに来たの?」
って聞かれたので、
「う~ん、特別に『来なくちゃならないような理由』があったわけじゃなくって~。 初めてフニャ高へ来たときは、その前にハンガリーに来たこともなかったし~。 家族や友達がいたわけでもなくって、知ってる人も居なかった。 しかもハンガリー語も全然知らなかったんだよね(^^ゞ」
…と事実をありのままに答えたらば、O先生はものすご~くビックリして、まるで化け物を見るような目でワタシを見ていたのが忘れられない。(ワタシのこの身の上話は、なぜかたいていの人に驚かれるんだが、O先生のは『人間じゃないモノ』を見ているかのような驚き方だった。)

誰も事情を知らないみたいなので想像するしかありませんが、O先生の場合は 半ば通勤拒否状態になって そのまま辞めることになったのかな…と思う。

今になって思えば、あの人、フニャ高に全然馴染んでいなかったよなぁ~。 イメージとしては、「怯えているネズミ」のような感じだったな。 怯える子ネズミちゃんには…フニャ高で先生するのは ただ辛くキツイだけの苦行だったでしょうね(^^ゞ  合わない場所に来てしまって気の毒だった。

O先生、今はフニャ高から解放されて元気にしているかな?

 

長くなりましたので、
今回は記事タイトルの「去る者」の部分だけ。
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次回、「来る者」の話題へ進む予定です。
んでは、また明日~(^_^)/~

 

 


「数学な人」の頭の中


数学本

ワタシは高校時代、数学が全然ダメでした(T_T)
どのくらいダメだったかは、あえてココには書きませんョ? 深く追求しないでください。

ハンガリーの制度では、高校の卒業資格試験の科目の一つに数学が含まれています。 つまり数学は必須! 数学の点数が足りなきゃ高校卒業資格がもらえない。 その辺は厳しいもんです(^^ゞ
そんなわけで、ワタシの職場フニャ高(←ワタシの勤め先の高校の仮の校名)にも数学の授業があり、先生だって何人もいる。

フニャ高の職員室は 大きな部屋に先生たちが雑居している感じ。 ワタシの隣の席には、初年度は数学の先生、2年目は国語の先生だったんだけど、3年目以降には再び 初年度とは別の数学の先生が座るようになって今に至ります。
つまりワタシ自身は数学がダメだけど、自分の席の隣には「数学な人」が座っている期間が長かったわけですよ。

そうすると、「数学な人」の ワタシには理解しがたい一面を垣間見ることになる。

数学の先生ってさ、会議の時なんかに「何だかよく分からん数式」だとか「放物線」とか書いてたりするのよ。 何やってるんだ、アレは!?  放物線なんてワタシ、高校卒業して数学から解放されてからこのかた、一回も書いたコトがないヮ!!

会議の時、川柳の一句でもひねる…というなら、ワタシにも理解可能なんだけどね。

 

たかが計算機だって、ワタシのモノと数学の先生たちのモノは全然違う。

ワタシの計算機はコレ(↓)
ワタシの計算機
+、-、×、÷ さえ使えればOKのシンプルなソーラー計算機。 たぶん20年以上愛用。 その性能に不満を憶えたことはない。

数学の先生たちが持っている計算機(↓)
数学な人の計算機
何なの、このボタンの多さ。 何するんだ、コレで!? コレでも計算機なのか(-“-)
(何するのかを聞いてもワタシには理解できないと思うので、何するのか本気で知りたいわけではありません。分かる人がいてもわざわざ教えてくれなくてイイですから! (^^ゞ )

つきあってみれば数学の先生たちに特に変わったところがあるわけでもないのに、数学な人たちの頭の中味の一部は明らかにワタシとは違うな…と思う。 面白~い(^_^)

 

上の一枚目の写真は、数学の先生たちの机によく置いてある数学の問題集。
装丁が古風なので、ハンガリーでは昔からある定番本と思われます。
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中は見たコトがないけどね。
見る気もないけどね。 興味ないからね(^^ゞ

 

 


マル(○)とバツ(×)と、ペケ(✔)…問題。


注意書き

(↑)コレはブダペストの公共交通の車内に貼ってある注意書き。

『禁煙』…今の時代、車内禁煙は世界の(?)常識。 さすがにブダペストでも車内ではタバコを吸う人は見かけないです。 (バスやトラムの停留所も禁止されているけれど、そちらは事実上の無法状態(-“-))

『飲食禁止』ハンガリー人にとって「立ち食い・歩き食い」はマナー違反でもなんでもなく、極普通のことです。 ですが、公共交通の車内では禁止なんですねぇ~。 全然守られていませんケド? 車内で堂々と酒を飲んでいる者あり、アイスクリームを舐めている者もあり…。 無法地帯ですな?(こと飲食に関しては)

右下のピクトグラムは『スリ(または ひったくり)にご注意』ですね。
ピクトさんなのにネックレスをつけていたりして、おしゃれさんです。 ビックリしている顔がカワイイかも。

そして、左下のピクトグラム。 コレ(↓)ね。
ヒゲのピクトさん
このピクトグラムは、日本人にはちょっと解りにくいんじゃないかと思うんですが、どうでしょう~?

意味するところは 、他の乗客の迷惑にならないよう『大きい荷物は肩にかけずに 足元へ!!』

しかし、肩にかけてあるカバンにはバツ(×)、一方の足元にあるカバンにはペケ(✔)。 
ワタシ、このピクトグラムを最初に見たとき、
カバンを肩にかけちゃダメ、足元もダメ? それじゃ 何処におけばいいのさ!?」と思ったデス(^^ゞ

だって、日本ではペケ(✔)って、あまり宜しくないとき…、要はバツ(×)と同様に使わない? ワタシが小学生のときは、テストで先生にペケ(✔)をつけられたら、ソレは間違いだってことだったよ???

ところが、ハンガリーの先生は 正解だったときにペケ(✔)をつけます。 ハンガリーのペケ(✔)は、日本で言うマル(○)と同じなのね。

だから写真のピクトグラムの場合も「足元のカバンはOKですよ」…の意味。 (両方ともダメの意味じゃないのだ(^^ゞ)

これは、ワタシ自身にとって要注意事項の一つです。 ワタシは ついペケ(✔)を「コレはダメ!!」の意味で使ってしまいそうになるのね~、だって日本人だもんっ(^^ゞ

新学期、新規の生徒を相手の授業では、1回目のレッスンのうちに(1回目で言い忘れた場合は2回目までには)
「ワタシは日本人ですから、正解のときはマル(○)、不正解のときはバツ(×)か ペケ(✔)を書きます。 とっても良い場合は『ハナマル』です。」
…と、注意しておかなくちゃいけない。(忘れずに!!)

それでも やはり生徒は✔がつくと褒められたと勘違いするので、✔は極力使わないようにしているのです。 (だって紛らわしいもんね?)

 

ワタシが小学生だったのなんて もう遠い遠い昔のことなので、
今の小学校では✔が正解の意味に変わっていたり、
地域によって違ったりするのかもな…と思ったり。
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ハンガリーの先生は『ハナマル』書かないみたいだけど、
『ハナマル』書いてあげると生徒はたいてい喜びます。(^_^)